2007北海道マラソン完走記 前編



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*** 大会データ ***
最寄り駅:地下鉄南北線 真駒内駅から徒歩15分。一般出場者のスタート場所は、そこからさらに1km。
種目:フル
スタート時刻:12時10分
制限時間:5kmごとに関門があり、最終40km関門は3時間48分。
最終関門を通過すれば歩いてもゴールさせてくれますので、厳密に言えば制限時間4時間ではありません。
参加資格:フル4時間以内、ハーフは男子1時間50分、女子2時間以内など。
ハーフの資格で参加するとスタート位置は後ろになります。
荷物:貴重品以外のみ。
スタートとゴールが違う場所なので、支給された大形ビニール袋に入る荷物しか預からない。
雨天時は折り畳み傘でないと預けられません。
会場トイレ:常設と仮設、結構混みます。

売店:なし。
会場内給水:なし。
アップ場所:競技場周辺、陸連登録者は競技場内も使えます。
(ただし路面はコンクリです)
コース:真駒内競技場(一般の部は競技場から約1km離れた場所)からスタートし、陸連の部と一般の部は1.1kmで合流する。
4km付近と28km付近の2個所で折り返し、駅前通を走り中島公園にゴールするワンウエイコース。
おおむね下り基調の高速コース。
コース上トイレ:7個所あるそうですが、行った事がない。

スタート順:ゼッケン順(タイム順)。
昨年までは女性は別の列だったので、遅い女性でも前からスタートしていました(女性参加者が少ないから列が短いため)。
今年から男女問わずタイム順になったので、ハーフ2時間程度の女性ランナーがやたら前からスタートということがなくなりました。
(混雑するので遅い人が前にいると危険なんですよ)
ロスタイム:陸連の部で1100番台ゼッケンで20秒ぐらいかな?。
コース上給水:5kmごと、水とスポドリ。
暑さ対策で21.5km、25.9km、28.4kmにも給水あり。
不安なら小銭持って自販機で買うのが安心です。
給食:なし。
スポンジ:給水と給水の中間にスポンジエイドがあり、そこでも水が飲めました。
私設エイド:バナナ配ってたり、小規模なものはありますが、一応助力は禁止です。ヤボですが。
キロ表示:1kmごと。
声援:多し。最後の数キロの大声援が印象的。華やかな大会です。

プログラム:今までの大会ダイジェストや選手名簿も載っている立派なもの。
ゼッケン枚数:前後。1000番ごとに地色が変わる。
ゼッケン番号順:タイム順
計測:RCチップ。
陸連の部はネット計測なし。一般の部は不明ですが、逆にネットタイムのみかもしれない。
GTMailsは10kmごとに送信。計測は5kmごと。
記録証:後日郵送。おおむね2週間後に届きます。5kmごとのグラフが入った立派なもの。
写真屋:道新スポーツのみ。レースダイジェストと定点カメラのDVDが販売されています。前日だと3300円、後日申し込みは3600円。
着替え場所:あり。

参加者数:エントリー数5197人、出走4557人、完走2761人。完走率60.6%と史上2位の低さ(昨年は52%)でした。定員は5200人。
参加費:5000円。フェアウエルパーティは500円。
参加賞:ランニングダイアリー、綿100%Tシャツ。(今年からアディダスではなくなりました。生地も厚手で私は好きです)
完走すると完走メダル。ゴール後にアリナミンVドリンク、アイシングアイス、水とスポドリは飲み放題。

ウエア:薄墨ランパン、ミズノアイスタッチノースリーブシャツ、アディダス滑り止め付き5本指ソックス、NB高機能帽子。
天候:トップ通過時の気温は次の通り。
  スタート:晴、気温29℃、湿度58%
   5km:曇り、気温26℃、湿度54%
  10km:晴、気温32℃、湿度45%
  15km:晴、気温31℃、湿度49%
  20km:晴、気温27℃、湿度61%
  25km:晴、気温31℃、湿度50%
  30km:晴、気温28℃、湿度62%
  35km:晴、気温30℃、湿度55%
  40km:晴、気温28℃、湿度60%
  ゴール:晴、気温28℃、湿度64%
招待選手:沢山いました
シューズ:アシックス GT2110 25.5cm(買い置きしていたほぼ新品のもの)
ダメージ:右チョウケイ靱帯(2日で痛みは消えた)、左太股筋肉痛、腰痛(いずれも軽症)、珍しくハムが痛みました。左チョウケイ靱帯も多少。
右小指にマメ、右人さし指にうっすら黒爪。

なんでなのか、私はこの大会が大好きです。

最初の頃は、夏場に4時間で走るなんて他人事でしかなかったのですが、ハーフで1時間50分をあっさり切ってから(この時点で出場資格あり)気になってきて、サブフォー達成できた時に一番先に考えたのが「道マラに挑戦しようか」ということでした。
3年連続3回目ですが、最初はとにかく完走することで精一杯、昨年は気持ちには余裕はあったけど終始30℃以上(最高32℃)の酷暑で自販機で水を買いながらなんとか完走。
今年は関門も緩くなったし自分のタイムも少しは縮まったし、完走するのはそんなに難しくはないと思えるまで余裕が出てきました。
ですから、最初のようにとにかく完走できれば大成功という気持ちは薄らいでいましたし、かといって夏場ですから良い記録など出るはずがありません。

この大会は完走できるかスリルを味わうのが楽しい、と思っていたのですが、どうやらそうではないようです。
夏に目標がある事、この大会があるからこそ、夏の北海道を目指せの合い言葉があるからこそ、5月以降の中だるみになる時期に頑張れる。それが楽しい。
まあ、夏場に走るだけなら別にこの大会ではなくても、ウルトラ系とか山岳系はたくさんありますが、どうも私は都市型マラソンが体質にあうようです。

私は札幌近辺しか知りませんが、ヨドバシ、東急ハンズ、紳士服のアオキなどなど、町並みはまるで新宿。
道路が広くて規則正しいことと、人が少ないこと以外は、なんだか東京にいるみたいです。
それでも吹く風は確実に東京とは違う風。
そんな札幌が好きなのかもしれません。
そして、その街を駆け抜けるこの大会が大好きです。


昨年、すでに現地で噂されていましたが、今年は8月の世界陸上大阪大会に押し出されて9月9日開催と、例年より2週間遅い開催です。
正直、9月開催だと涼しいでしょうしあまり出たいという気になれませんでしたが、それでも やっぱりこの大会を目指すことにしました。
この大会、今年から大幅に変わりました。
最大の変更が、一般の選手のスタート位置が競技場外となり1.1kmまでは別コースになることです。
5000人前後が参加するのですが、競技場から一般道に出るまでは恐いほどの混雑で、一昨年は号砲から1kmまで8分もかかりました(ゼッケンは3600番台)。
別スタートは残念ですが、事故が起きてからでは遅いので賢明な判断でしょう。

もう一つ変わったのがコースと関門です。
コースは第一折り返しが序盤になりましたが、走りやすさは今まで通り、むしろ陸橋の昇り降りが減った分走りやすい気がしました。
夏場ですからなかなか記録は出ないでしょうけど、実は下り基調で高速コースです。
涼しい季節なら良い記録が出るでしょうね。
関門は全体的に緩まり、10kmが60分とスタート後の混雑でロスしても簡単に通過できるぐらい緩くなりました。
5kmごとに関門がありますがいずれも緩和され、最終関門の40kmは3分も緩くなり3時間48分となりました。
従来はキロ5分36秒で走らないと関門アウトだったのが、今年からは5分42秒で良い訳ですからかなり楽になりました。
(それでも練習しなければ厳しい数字ですが)


昨年秋から調子が良くて、10kmのタイムも43分とそれまでよりも2分以上短縮できましたし、ハーフも1時間36分台が出るようになりました。
ところが、1月末にアキレス腱を痛めたり、3月の荒川市民で腰痛になり、それがなかなか完治しなかったり、ちょっと下降線でしたし、4月の彩湖フルも腰痛ではじめての不参加という状態。
それもあって、道マラに向けた走り込みも今一つで、月間走行距離も300kmに届かない状態でした。
(ただ、今までダラダラと走って月300kmでしたので、むしろメリハリを付けて250kmの今年の方が良いように思いますが。)

4月に今年の要領が発表になりました。
日程、コース、関門の変更の他に、陸連と一般が別スタートという大改革です。

私は10月の高島平20kmを完走することを今年の目標の一つにしていたので、今年度から陸連登録選手になっていました。
速くもないクセに陸連かよ、と笑われそうですが、当初は高島平20kmに出るだけに陸連資格を使うつもりでいました(高島平20kmは陸連選手しか出られない)。
遅いクセに陸連枠で前の方からスタートするのはアンフェアな気がしていましたし、なにより道マラは一年間頑張って自己ベストを縮めて若いゼッケンをもらって、それで少しでも前からスタートするのが楽しいしし、そうすべきものと考えていました。
でも、スタート場所が違うとなると…。
どうしても真駒内競技場からスタートしたい。
かなり抵抗感はありましたが、結局陸連枠でエントリーする事に決めました。
関門も緩くなったし日程も9月と涼しそうだし、正直エントリーを決めるまでは気持ちが揺れ動いていました。
なんか、今年の道マラは楽そうで闘志がわかないなぁ。
道マラに気持ちが集中できるようになったのは4月後半になってからでした。


6月第一週の喜多マラソンでフルを走って道マラの練習にするのが慣例ですが、今年は暑さに負けたのか風邪ぎみだったからか、30kmでリタイヤという惨めな結果でした。
これが私の闘志に火を付けました。
まだ腰痛が治っていなかったのですが、こんなことじゃ道マラ完走は無理。
正直今年の道マラは楽に完走できるとなめていました。
はじめて道マラに挑戦した時の自己ベストが3時間46分、昨年の自己ベストがが3時間40分、今年が3時間36分。
いくら夏のマラソンとはいえ、これだけ持ちタイムが縮まっていればそりゃ余裕も出てきます。
しかも今年は最終関門までもが3分も緩和、ペースもキロ5分36秒からキロ5分42秒とかなり余裕ある数字です。
私にとってこの6秒は大きい。
そんなことから、かなりなめていたのですが、喜多マラソンリタイヤという結果は消えかけていた闘志に火を付けることになりました。

不思議なもので、腰痛で整骨院通いをしていても治らなかったのに、リタイヤした4日後の木曜(休暇だった)に42km走に挑戦したら、タイムはともかく(4時間17分)久々に練習で42kmを完走できました。
練習で42kmを走れたのは数えるほどです。
腰痛もさして気になりません。
結局、毎週42km走ができて6月は42km走が4回、30km走が2回(一回は喜多マラソンリタイヤ)と、リタイヤしたことが大きな刺激になって結果的には良い走り込みになりました。

腰痛で5月は171km、6月は302km、尻上がりに調子が出てきました。
7月は262km、8月は224kmとやや少なめですがメリハリを付けて長距離はそこそこに、暑熱順化とスピード練習を中心にまとめました。
ツアーの宿も飛行機の便も希望通りに取れたし、仕上がりも順調、あとは走るだけです。


ちなみにツアーですが、9月とシーズンからすこし外れているにも関わらず、2泊3日で44200円(朝食なし、オプションで一食1200円)と、8月開催だった昨年の46000円とさして違いません。
でも、今年も8月開催だとツアー代は54800円だそうで、昨今の重油代値上げは大きいですなぁ。
ツアー代だけで5万超えるのはキツいよなぁ。

腰痛もアキレス腱痛もなく、順調でした。
ところが、直前になって嫌な予感が…。
そう、台風です。
まるでこの大会を狙ったようなコースで台風9号が近付いてきました。
この大会、前日エントリーのみですので、私はいつも土曜日の昼過ぎに新千歳に到着する飛行機に乗っています。
今年は8日の12時30分着です。
ところが、どうせ速度をあげて通り過ぎると見ていた台風9号は関東に上陸した後も勢力を弱めず速度も上がらず…


私は今まで天気には恵まれてきました。
何年か前にNAHAマラソンに参加した時も台風が接近していましたが、この時は同日の川口マラソンにもエントリーしていた(NAHAまでに納得行く成績が出せかったら川口に出るつもりだった)ので、どちらかには出られるだろうし、NAHA組は何人もいましたからたとえ欠航になっても心強い、という気持ちでした。

でも今回は違います。
ちょっとオーバーに言えば道マラは一年かけて目指してきた大会ですし、なにがなんでも出たい大会です。
出られなかったら次の大会で頑張れば良いや、というものではないんです。
唯一無二の大会です。


8日12時半に北海道に着陸という視線で見て下さい。


水曜の15時現在。
まだ数日先だしどうせ速度が上がるとなめていました。



木曜の15時現在。
ちょっと焦ってきました。
いまだに着陸時刻に北海道直撃です。




金曜の14時現在。
道マラは前日受付のみですが、その受付時間が16:30から20時まで延長されました。
台風での交通の乱れに配慮してのことです。

金曜の朝早く台風は東京を抜けて行きました。
その日、まだ台風の吹き返しの風が残る中、仕事で朝から夕方まで外出していました。
一緒に行った人が気を利かせてくれて、13時前にテレビがある場所に立ち寄ってくれて、13時のニュースを見せてくれました。
…ああ、私の飛行機が新千歳に付く頃、台風が北海道に居座る天気図に変わりはありません。
これは無理だな。
この一年間頑張ってきたけど、人生には恵まれない俺が天気だけは恵まれていたけど、それも今回ばかりは無理だな。
ため息しか出ませんでした。

もう無理だろう…と諦めていました。
羽田は離陸できても新千歳に降りられない…


ところが、金曜の夕方になって希望が出てきました。
19時現在の天気図です。
夕方から速度をあげてきました。
望みが出てきました。
走れる喜びにちょっと涙目になったのはナイショ。


土曜朝5時現在。
出発当日です。
目が覚めるなりテレビのニュースで台風の位置を確認、台風9号に直前まで意地悪されましたが、なんとか通過しています。
ネットで飛行機の運行状況を確認しましたが、6時の始発から順調に運行しています(ネットって便利だなー)。
軽く朝飯を食べて、8時21分に家を出て9時35分には羽田に到着しました。
まだちょっと不安だったので、まっ先に電光表示板を確認、順調に運行しているようです。
ここまできて、ようやくホッとしました。
そうしたら腹が減ったのでサンドウイッチをむしゃむしゃ、気持ちも腹も落ち着いたところで早々と荷物を預けて出発を待ちました。
最近はテロ対策で国際線は液体を機内に持ち込めないことは知っていましたが、国内線では持ち込めるけど危険な液体かどうか検査するんですね。
知りませんでした。
台風の吹き返しで揺れるんだろうなー、そうでなくても飛行機が恐いのにと思いながら、定刻11時をやや遅れて出発しました。

中央付近の席でしたので外が見えず、機内ではいつも通り落語を聞いていました。
心配していた揺れも全くなく、あっという間に新千歳空港に着きました。
12時45分、予定より15分遅れでした。
飛んでしまえば近いものです。
13時19分発の特急エアポートで一路札幌に向います。
1040円でした。
本当はもう一つ前の電車にも乗れたのですが、どうせ急がないのだし座って行こうと思って一本遅らせました。
車中はランナーだらけです。
私を含めて、みんな大荷物ですから一般のお客さんに申し訳ない気持ちです。
通路までランナーでぎっしり。
車窓から一年ぶりの北海道の町並みを眺めながら、13時55分に札幌に到着しました。
自動改札でキップ(PASMOは使えないのでキップを買った)を入れたら、裏表逆だとダメなんですね。
このあたりは人が多い東京の自動改札と違ってのんびりしています。
札幌駅近くの回転寿司(くるくる寿し)でまた腹ごしらえ、サーモンが脂が乗って美味しかったです。
回転寿司は量が加減できることと早いのが良いですね(昼時だと並ぶけど)。
2時半に食べ終わり、歩いてホテルに向いました。
着いたばかりの時は涼しいと思ったのですが、日が出ると結構な暑さです。
ホテルはすすきのと大通り駅の中間なので、札幌から歩くかすすきのまで電車で行くか迷いましたが天気も良いし時間もあるし歩きました。
しかし、ヨドバシカメラ、東急ハンズ、ドン・キホーテ、北の一丁、紳士服のアオキ、大戸屋などなど、新宿あたりと同じですね。
人が少ないのと道が広いことを除けば、本当に新宿のような気がします。
昨年泊まったホテルですが方向オンチで迷ってしまい、ホテル着が15時50分でした。
すすきの駅の札幌寄り出口から狸小路6丁目を目指せば分かりやすいし、雨なら大通り駅からポールタウンを歩いた方が良さそうです(来年の備忘録ね)。
ホテルに着くと荷物を置いてすぐに受付会場の中島公園に向いました。


(後編へ続く)
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