2007北海道マラソン完走記 後編



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15時50分、中島公園に着きましたが、公園入り口の道マラの看板(あと600mの目印にもなる)はまだ設営準備中でした。
台風の影響で設営開始が遅れているようです。
公園のすぐそばのホテルの受付会場に行き、まず受付けです。
ゼッケンをもらって、ようやく、ようやく、今年の北海道マラソンに出られるという実感が湧いてきました。

受付は16時半までなので例年ならすこし出遅れて焦っている時刻ですが、今年は台風の影響で20時まで受付してくれるのでのんびりとした気分でした。
例年会場ではアディダスのランニングセミナーがあったりしたのですが、今年からアディダスはスポンサーから降りたようですね。
会場では世界陸上大阪大会グッズや道マラ特製Tシャツ・タオルなどを販売していました。
買っておけば良かったかなぁ。
会場では過去の大会の概略をボードで表示していたり、なかなか雰囲気が出ています。
あ、月曜の北海道新聞に全完走者が掲載されるんですが、それを自宅まで郵送してくれるサービスもあります(当然ですが有料)。
私は毎年頼んでいますが、どうせ駅でも買うんですけどね。まあ記念ですから。
それからレースダイジェストや定点カメラ映像(スタートやゴールなど)のDVD販売も昨年から始まりました。
前日と当日(走る前)は3300円、後日の申し込みは3600円です。
前もって申し込んでおけば、リタイヤしたら無駄になるから最後のところで根性が出るかもしれません。
リタイヤしたランナーの定点カメラには先頭のランナーの画像が入るらしいです。
この大会は写真屋が道新スポーツだけなので、確実に写るためにはDVDがオススメです(動画ですが)。

今年は千葉選手も引退しちゃったし開会式はパスする予定でしたので、受付を終えてから中島公園のゴールに向いました。
やっぱり台風の影響で設営作業が遅れていて、ゴールゲートの北海道マラソンの文字もまだ途中でした。
心配していた仮設スタンドはもう出来上がっていましたから、多分台風を見越してかなり早い時期に設営済みだったのかもしれません。
コースロープもまだこれから貼るところでしたし、全体的に遅れていましたが、まあ明日の本番には十分間に合うでしょう。
16時25分、中島公園を後にしてホテルに戻りました。
夕方になるとだいぶ涼しくなっていました。


朝、家で軽く食べて羽田でも軽くつまんで、こっちで回転寿司いって。
お腹は妙に膨れているし、直前まで台風で飛行機が飛ぶかどうか悩まされたこともあって、なんだか疲れました。
足もだるいし、夕食を食べに出かけるのもかったるいのでコンビニで晩飯を買い込んでホテルの大浴場でまったりと過ごし、後は部屋でのんびりしていました。
いよいよ明日です。
なんか走る前に疲れちゃった。
予想気温は27℃、今までと違って昨年の32℃を経験してるし気温は恐くありません。
でも涼しい方が走りやすいから27℃ぐらいで治まってくれるといいけどなぁ。


決戦の朝、6時に目が覚めました。
ベッドでまどろんで6時半に起きましたが、マットレスが固めで腰が痛いや。
ベッドで腹筋をして(朝の恒例行事)、7時に朝食を食べに行きました。
ホテルの1階で和食なんですが、結構美味しいんですよ。
みそ汁もご飯もお代わりして、かなりたらふく食べました。
部屋でトイレを済ませて9時6分に出発、コンビニで水2本とポカリとウイダーインゼリー(マルチミネラル)を買ってポカリを飲みながら電車に乗り、真駒内駅に9時40分に着きました。
車中はランナーだらけでした。
天気は曇り、ちょっと蒸します。

この大会はワンウエイコースで真駒内スタート、中島公園がゴールですから、荷物は主催者が移動してくれます。
荷物は受付時に渡されるビニール袋(簡易ナップサックになる)に入る分しか預かってくれないので、私はこのビニール袋に最低限の荷物を入れて持って行く事にしています。
ビニール袋にはゼッケンを書いたシールが貼ってあります(支給されたシールを自分で貼る)ので、この袋を持っている人はだいたいどの程度のタイムか分ります。
申し込み時の自己ベストタイムと陸連か一般かでゼッケンが決まります。
今年の場合、男子は2000番未満が陸連登録選手、3000番以上が一般です。
ちなみに、2005年は自己ベストが3時間47分で3600番台、2006年は3時間41分で3200番台、今年は3時間37分で1100番台(タイムはグロス、今年のみ陸連の部)でした。
そんなことを思い出しながら人のゼッケンを見ながら歩いて、会場に着いたのが10時10分でした。
小雨が降り始めていて、会場アナウンスによると26℃でした。
気温はそんなに上がらないだろうし曇っているから昨年ほど過酷にはならないだろう、ただ湿度が高いのが気になるなぁ。
そんなことを考えながらゼリーを飲み、日焼止めをばっちり塗りました。
ウエストバッグには小袋に入れた塩、小銭、小型のゼリー(バナナ味)、ランパンのポケットにも小銭を入れました。
ウエストバッグの小銭は取り出しにくいので、ついつい使うのがおっくうになるからランパン にも入れておく方が実用的です。
チャラチャラしないようにテープで軽く止めておくといいですよ。
(結局塩と小銭は出番がなかった)
天気は曇り時々晴れたり小雨という妙な天気です。


11時ごろに早々と荷物を預けてアップ開始、こまめにトイレにいって最後の一しずくまで絞り出しました。
アップしていたらどこかで見たオジサンとすれ違いましたが、どうやら小出監督だったようです。
一般の部のスタート場所は競技場から1km程離れた場所だそうですが、そこまで行ってみようかとも思いましたが止めておきました。
気温は26.5℃と、ほぼ横ばいでした。
小雨がぱらついてきていましたが、真冬と違って雨は大歓迎です。
真駒内公園ではタケダファミリーマラソンというのが行われているのですが、大きな観光バスが沢山駐車していました。
ファミリーマラソンに参加した人の乗るバスだと思っていたのですが、だれかが「わー、あんなに収容車があるんだ」と話していたのでよく見たら本当に収容車でした。
あんなに沢山必要なのかなー、とその時は思ったのですが、結果的には完走率60%、約1800人がリタイヤしたわけですからあのぐらいは必要なんでしょうね。(何台か数えなかったけど、かなり駐車していた。まあ全員が車に乗った訳ではないでしょうけど。)

この大会、点呼というのがあります。
点呼といっても名前を呼ばれるわけではなく、競技場の入り口に感知マットが敷いてあって、そこを通過するだけです。
そこを通過しないと参加者としてカウントされないそうです。
競技場のスタートラインにはマットがなくネットタイムの計測はありませんが、今年から始まった分離スタートの一般の部ではスタートラインにマットがあって、そこを通過すると点呼になったようです。
ということは一般の部はネットタイム計測のみということなのかしら。
それはともかく、11時20分ぐらいに競技場に入りました。
競技場内でも軽くアップしてトイレに並んで、マラソン仲間を探したけどだれも見つかりませんでした。(来ているかどうかも分らなかったのですが)

昨年とはコースが変わった事もあって、スタート前の整列は前回とは逆の方向でした。
12時時点では27℃、雲は出ていましたが青空ものぞき、暑くなるかもしれません。
でも、昨年のような恐怖を感じるような暑さはありませんし、暑さなにするものぞ、という気持ちでした。
ランナーはトラックの内側でゼッケンごとのプラカードの後ろに並んで待つのですが、なぜか今年は立っている人が多かった。
タイム順のゼッケンですから、周囲は私と同じ程度のランナーばかりです。
でも、みんな速そうなシューズ履いているんだわ。
ターサーとか。
GT2110なんて私ぐらいしかいなかった。
例年はスタート時にブラスバンドの演奏で送りだされるのですが、今年は姿が見えません。
ひょっとしたら一般の部のスタートの方にいるのかなぁ。

スタート時間が近付きました。
スターターの勝木北海道陸協会長(毎年、開会式で挨拶しているので憶えている)が紹介されて拍手が沸き上がります。
そして号砲が鳴りました。同時に花火が打ち上がります。
いよいよ北海道マラソンのスタートです。
スタートラインにマットがない(ネット計測なし)のでスタートラインがどこだか分らず、ロスタイムは不明です。
スタート直後のアナウンスでは気温29℃、あーやっぱり暑くなっちゃった、というため息混じりの声が周囲から聞こえましたが、私は全く気にしていませんでした。
暑いからこそ道マラ。
最初は9月開催で涼しくてコースベストは確実と思ったけど、別に暑くなったってかまわない。
夏のフルマラソンなんだから、暑くてあたりまえ。

競技場からのスタート(陸連登録者)は約1500人、競技場外の一般の方は約3500人、昨年までは全員競技場からでしたので混雑がひどかった。
今年はかなり緩和されました。
競技場を出てすぐに短い登りになるのですが、今までは混雑して走るどころじゃなかったので坂であることすら気づきませんでした。
今年はじめて坂でけっこう急な事が分かったほど、今年は走りやすかった。


昨年までは競技場を出ても真駒内公園を出て一般道に出るまではまともに走れませんでしたが、分離スタートのおかげで競技場を出てすぐまともに走れました。
1kmの通過が5分19秒、今までは7分とか8分かかっていたのですから劇的な違いがあります。
1.1km付近で一般の部と合流しましたが、あちらも1km走ればかなりバラけているのでスムーズな合流でした。
合流時、向こうのゼッケンは2800番台ぐらいの人が多かったです。

今年からコースが変わり、4kmあたりで第一折り返しがあります。
ということは、序盤で先頭集団とすれ違えるわけです。
スタートして間もなく先導の車が数台、そしてテレビの中継車の後ろにトップランナーの姿が見えます。
普通の市民マラソン大会では見られない光景、テレビで見るエリートマラソンでしか見られない光景が対抗車線で見られる、しかも自分自身がそのレースに参加している。
タイムはともかく、北海道マラソンならではの醍醐味を味わう瞬間です。
先頭集団に声援を送りながら第一折り返しを目指します。
キロ表示は1kmごとと親切です。
第一折り返しを過ぎて最初の給水(5km)を取り、順調に走りました。
なんと、最初の1km以外はキロ5分ですし、8kmではキロ4分49秒と私にしては速すぎるペースです。
今回の作戦は、今までのように完走だけを目指すのではなく、最低でもコースベストは更新すること(と言っても今まで3時間54分台でしたから、レベルは低い)。
当日の気温にもよりますが、最低でも3時間50分は切りたい、45分を切れれば成功かなー、と思っていました。
涼しくて40分を切れれば最高と思っていたのですが、このペースでは夢の3時間半切りが視野に入るペースです。
10kmを49分40秒とキロ5分を切るハイペースで通過、この付近は毎年ブラスバンドの応援演奏があります。
大きく手を振って感謝の気持ちを伝えながら走りました(それだけ気持ちに余裕があったという証拠です)。

5kmごとの給水、給水と給水の中間付近にスポンジ、給食はなし、決して初心者向きではない体制ですがいつも感心するのが水がよく冷えていて助かるんです。
今年は給水のテーブルの数が増えていたような気がします。
手前は多少混雑していてもその先は空いていて取りやすかったので、2杯も3杯も飲めます。
(後日ネットで見たら、うんと後方では水切れになった所もあったようですが。)
今年も腰に500mlの水、塩、小銭、ゼリーを持って走りました(ヘタレランナーなので)が、水は最後まで飲み切らずに余りましたし塩も小銭も出番なしでした。


15kmの通過が1時間13分39秒、直近5kmをキロ4分48秒と驚異的なペースで飛ばしています。
こりゃ、3時間半がいけるかもしれない。
もう2年以上狙っていて届かない3時間半の壁、まさか夏のマラソンで切れるとしたら凄いぞ。
まさか、今年は一部コースが変わったから実は距離が足りなかったなんてことにならないだろうなぁ。どっかの大会みたいに。
なんて呑気な事を考えながら走っていました。
天気は晴時々曇り、でも昨年のような灼熱の大会という気はしませんので、よほど調子がよかったのでしょうね。


さすがに北海道マラソンはレベルが高くランナーの粒が揃っているようで、序盤に飛ばし過ぎてスピードダウンして走る障害物になっているランナーはほとんどいません。
もちろん抜いたり抜かれたりはしますが、昨年までのように遅い女子ランナーにブロックされることもなく走れました。

注:昨年までは女子ランナーは全員前方からのスタートで、女子はハーフ2時間切りで参加資格があるから結果的に走る障害物になる人がいたけど、今年から女子もタイム順に改善された。
そもそもハーフ2時間という参加基準は甘過ぎると思う。
(男子の1時間50分もちょっと甘い気がする)
サブフォーペースで走れないと完走はできない訳だから、ハーフの資格での出場なら1時間45分ぐらいが妥当だと思います。
(数年前まではそうだったが、たしか3年前から緩和された)
ただ、門戸を広げたいという主催者の考えも分るので、さじ加減は難しいでしょうけど。


紫色のウエアの女性ランナーがいいペースで走っていたので離されないように頑張って引っ張ってもらいました。
このハイペースで走り続けられるわけがない、という現実的な考えも頭にはあったけど、なにしろ今年は完走第一ではなく、完走はして当然でタイムが伴わなきゃダメ、という気持ちだったので、もし昨年までだったらペースダウンして様子を見ていたでしょう。
でも、今年は攻めのレースを徹底したかったので、足に任せて走り続けました。
…現実は意外と早く訪れました。
18km付近で右ひざのチョウケイ靱帯が痛みだしたのです。

まだ半分にも来ていないのにまずいなぁ。
単なる筋肉痛なら痛くても走れますが、靱帯をやられたとなると3時間半どころか完走すらあやうい。
でも、今さらペースダウンして様子見なんてできませんし、したところでさほど意味ないでしょう。
痛みを感じながら走っていましたが、ちょっとヤバい。

暑さは感じませんでした。
いや、暑かったのでしょうが前半は自分でもビックリのハイペース、中盤以降はひざの痛みに気を取られていたので感じなかっただけなのかもしれません。
そういえば、後半は水をザブザブかぶっての走りでしたから暑かったんでしょうね。
冷えた水を頭からかけるとヒヤッとして気持ち良かったのを憶えています。

ひざの痛みはどんどんひどくなり、タイムもじりじり落ちていました。
なんとか中間点を通過、タイムは憶えていませんでした。
どうせこの先はタイムはボロボロだろうから覚える気にもなれませんでした。
それでもキロ5分10秒程度でまとめられていたのですが、23km付近からは5分20秒を超えていました(それでも私としてはハイペースではあるが)。
新琴似1番通りでまた先頭集団とすれ違うのですが、ここでついに道の真ん中で立ち止まってしまいました。
突然ひざが使えなくなったのです。
屈伸をして恐る恐る走り出し、しばらく走ってまた立ち止まって。
うわー、リタイヤかな。
右ひざ以外は問題ないのに、これでリタイヤしたらすごい後悔だろうなぁ。
このままペースダウンしたら強制リタイヤか、なんとか40kmの関門を通過できてもボロボロのゴールだろうなぁ。
そんなことを考えながら走っていましたが、モチベーションは不思議と落ちませんでした。
私は一度立ち止まると急に気持ちが萎えるのですが、この大会は別。
とにかく前へ。それだけ。

給水所では水を飲み水をかぶりスポドリを飲み、ひざにも水をかけました。
少しでも良くなってくれ。ゴールまで持ってくれ。

序盤は5kmを24分で走れていましたが、25kmまでの5kmは26分台、30kmまでは28分まで落ちていました。
最遅ラップは26kmの5分49秒でしたが、それ以外は立ち止まったり痛みでペースダウンしながらも5分30秒を切るペースで走れていたので、タイムはともかく完走はできそうです。
ただし、ひざが持てば、ですが。

この大会は給食がありません。
ルールでは助力禁止ですので私設エイドは違反なのですが、毎年走友会単位の私設エイドはありました(全ランナーに対してではなくメンバー限定という感じ)。
今年は小規模な私設エイドがちらほら見えました。
小規模というか個人エイドという感じのものもあって、NAHAマラソンを思い出しましたが、数はごく少なめです。
というか、私はこの大会には私設エイドはちょっと似合わない気がします。
私設エイドが必要な人は、それを期待するより自分で持って走った方がいいような気がします(この大会では)。
持参した水は時々飲んでいましたが、塩と小銭は出番がなく、そもそも思い出す事すらありませんでした。
暑かったはずですが、あまり暑さは感じなかったので塩をなめる気にもなりませんでした。
ただ、バナナ味のゼリーは予定通り(ちょっと早めだったが)に29kmで補給しました。
ひざが早々と壊れた関係でペースは落ちていましたし、今度はスタミナ切れでさらにペースダウンしないようにする作戦です。
最近は栄養無補給で水のみ(給食スポドリはなし)というこだわりよりも、少しでもタイムが出るように作戦を変えています。
これが当ったのかスタミナは最後まで持った気がします。

たぶん35km手前だったと思いますが、対抗車線のランナー(22km〜36km付近は折り返しコースになっている)のすぐ後ろに数台の車が見えました。
最終ランナーのようです。
車のスピーカーから「○○番の選手、歩道に上がって下さい」という声が聞こえました。
関門ではない場所でしたが、タイムアウトの瞬間でした。
強制リタイヤを目撃したのははじめてでした。
いつもなら、ひざが悪化したら自分もああなる、と気を引き締めるのですが、今年は不思議とリタイヤのことは頭に浮かびませんでした。
ひざがヤバいなー、と思いながらも絶対に完走して当然、という強い意志というか根拠のない自信と言うか、なんかそんな気持ちでした。
痛みはじめた時にリタイヤのことが頭をよぎりはしましたが、ひざが痛くて困ったとは思いましたがもうダメだ、という弱気には一回もならなかった。
それだけ今年は気合いが入っていたのでしょうね。
台風で来られないかと思ったことも影響しているんでしょうね。

しばらくすると収容車が見えましたし、収容車待ちで歩道にいるランナーも沢山見ました。
一歩間違えれば自分もああなっている。
いつもならそんな気持ちになるのですが、なぜか今回は違った。
俺は違う、俺は走れる、お前達の分まで俺は走る。
生意気かもしれませんが、そんな気持ちでした。

ひざの痛みは治まってきました。
痛みなら我慢すればいいだけですが、靱帯だと悪化すると動かなくなって痛いとかの話じゃなくなってきますが、幸い大丈夫のようです。
それでも痛みとバテでタイムは落ちていましたが、キロ5分30秒は切っていましたから私にしては上出来です。
この大会は沿道の応援が多いのですが、特に最後の数キロは凄い声援です。
本当は笑顔で走りたかったけど、歯をくいしばって凄い顔で走っていました。
5kmごとの関門も次々とクリア、例年だったら制限時間まであと何分か気にしながらの走りでしたが、今年の敵は関門ではなく自分のタイムと右ひざです。
35kmを過ぎ、声援も増えてきたしあと7kmなら何があっても完走できます。
もうひざは気にしないでスパートをかけましたが、さすがにペースは上がりません。
沿道の人がうちわでランナーをあおいで風を送ってくれている人が多くいました。
それだけ暑かったということでしょう。
しつこいけど私は暑さはさして感じなかった。

もう3時間半は無理ということはずいぶん前から分かっています。
自己ベストの3時間36分も無理です。
せめて40分を切れたら。
もう必死で走りました。凄い形相で。
最終関門の40kmをクリアすれば、そこからは歩いてもゴールさせてくれます。
ですからいつも40kmをクリアできたら嬉しさとホッとした気持ちになるのですが、今回は先を急ぐ気持ちしかありませんでした。
40km関門を過ぎ、残り2km強を必死に走りました。
本当は楽しんで走りたい場所なんですけどね。

残り僅か、もう時計は見ません。
ようやく中島公園の入り口が見えました。
昨日は台風の影響でまだ設営されていなかった入り口の道マラの看板が見えました…といいたいけど記憶にないです(汗)。
とにかく最後まで必死です。
一応、ゴールでは定点カメラでゴールシーンを撮影していることは憶えていたので、他のランナーとかぶらないように気を付けながらも必死で走り込みました。
黄色い時計が3時間37分から38分になったのが見えました。
38分30秒を過ぎたところでゴール、よし!40分は切れた!。
あと一息で自己ベストも夢ではなかったけど、ひざを痛めてこのタイムは我ながら立派です。

ゴールしてからボーイスカウトから完走メダルをかけてもらい、ちょっとですがジーンとするものがありました。
今までのように単に完走できたから嬉しいというのではなく、台風で来られないかもしれないと思った事やひざを痛めた事、予想外の良いタイムだった事などなど…。
今年のゴールは格別でした。

アイシングアイスと水(紙コップ)をもらい、スポドリも貰って一息ついてからMサイズがなくならないうちにチップとTシャツを交換してからゴールに戻って、ストレッチしながらフィニッシュする選手達を見ていました。
そういえばクリールが自己ベストを更新したランナーを取材していましたが、私は自己ベストには2分半及ばなかった。
それでもセカンドベスト更新ですから我ながら立派なタイムです。
ここ数年、1月の勝田全国マラソンでしかフルマラソンのベスト更新ができていなくて、勝田は素晴らしい大会で大好きだけど記録が片寄るのはランナーとしてはあまり良い事ではありません。
冬場はロングタイツ(ワコールCW-Xの古いの)を愛用していますが、タイツがひざをサポートしているから良いタイムが出るということも言えるでしょう。
素足というかサポートなしのひざでのこの記録は嬉しかったし、久々に勝田以外の大会の記録が上位に入るというのも嬉しかった。

しばらくゴールするランナーを見ていました。
この大会、40km関門をクリアしたらそこからは歩いてもゴールするまで大会は終わりません。
最終ランナーを見届けてから荷物を受取りに行こうと思ったのですが、最終ランナーは16時10分頃、私は15時40分前にはゴールしていたのでちょっと待切れなくて、荷物を取りに行き、またゴール横に戻って芝生に荷物を置きランナーを見ていました。
びっくりしたのが、ゴールしてからヘタりこむ人の多いこと多いこと。
なにしろ担架隊が数組待機していて、別の係員がヤバそうなランナーに声をかけて担架に乗せて、これが数分に一回のハイペース。
普通の大会でも担架で運ばれる人はいますが、せいぜい数人ですよね。
何十人というペースで運ばれて行きましたので、しばらく見ているともう見なれちゃって担架が気にならなくなります。
そういえば帰りに道で足がつって動けなくなっている人も見かけましたが、それだけ過酷な条件だったんですね。実感がないですが。
私は珍しくトイレに行きたいという気分にもならなかったし、なんだか今回の大会は妙でした。
よほど体調が良かったのかしら。

今年はスパイダーマンの仮装ランナーがいたようです(途中で抜いていたらしいけど、その後ひざを痛めたのでぬかれたかも)。
忍者の格好の人は4時間ぐらいでゴールしてきました。
正直、あまり仮装が似合う大会とは思えないのですが、まあそれはそれで。

そして、最終ランナーが来ました。男性です。
拍手の中、歩いてゴールしていました。
見ていた人が意外そうというか残念そうに「あー、歩いてるよ」と言っていたのが印象的でした。
(最後ぐらい無理してでも走れ、と思うのは酷か。まあ走らないという美学もあが。)
これで、今年の北海道マラソンが無事終了しました。

ゴール横で着替えて、といってもシャツを着替えてズボンを履くだけで、どうせすぐホテルに戻って風呂に入るんだから靴下もランパンもそのままです。
さっきまでランナー達が走り抜けた中島公園のコースも、すっかり元の姿に戻っていました。
撤収作業が進む中、公園の出口からみた公園通りはさっきまで交通規制していたのが嘘のようにいつも通りの姿に戻っていました。
ついさっき、あそこを走り抜けたんだよなぁ。

祭りの後は妙に寂しいものですが、マラソンの場合は終わっても充実感、または敗北感が残ります。
ここらはただのお祭りよりも楽しく、また厳しいところでもあります。
今回は私にしては珍しく反省点の少ない大会で、胸一杯の満足感と一緒に電車に乗り込みました。

前から考えていた通り、狸小路の馬力屋という九州ラーメンに入って腹ごしらえ、なぜ北海道に来てトンコツを食べるのかというと、まあなんとなくです。
食べたかっただけ。
満足してホテルに戻って大浴場に向ったのですが、やっぱりランナーが戻ってきている時間のようで満員でした。
道路の向側にホテルの本館があって、そっちの風呂は広いらしいんで、そちらに移動して(フロントにいえば行き来していいことになってる。プチ湯巡り。)汗を流してさっぱりと。
あー、両足を伸ばして入れるのって気持ち良いなぁ。

その後は、いつも通りお土産探しをして、今年はツアーに付いてきたテレビ塔の入場券を使ってあまり興味はないけど勿体ないからテレビ塔まで歩いて行って見物してきました。
わざわざ見るほどの物でも…と思いながら、まあタダでしたし話のタネに。
展望台が狭いのでびっくりしました。
帰りにマックでフィレオフィッシュを食べてホテルに戻りました。
なぜ北海道まで来てマックかというと、まあ別に。
食べたかっただけです。

翌日は11時半新千歳発の便だったので7時半にはホテルを出て新千歳空港の朝市食堂というところでぶっかけ定食を食べました。
到着ロビーの方なので遠いし空港の飯屋なんてどうせ美味しくない、と馬鹿にしていたけど美味しかったですよ。
食事の後、またお土産をながめてから展望台で着陸する飛行機を眺めていました。
離陸より着陸の方が面白いなぁ、などと考えているうちにフライトの時間となり、また世俗の街 東京に戻りました。
楽しかったぁ。




1kmごとのタイムです。
18km付近で右ひざチョウケイ靱帯を痛めて、そこからはヘロヘロです。
それでも私にしては悪くないペースで走れました。




参考データ

左からキロ ラップ スプリット 5kmラップ 5km平均です。
計測ミスとある所は前後のラップからの推定値です。

1 05:19
2 05:01 計測ミス
3 05:01 計測ミス
4 04:59
5 05:02  0:25:22  25:22  05:04
6 04:54 計測ミス
7 04:54 計測ミス
8 04:49 計測ミス
9 04:49 計測ミス
10 04:52  0:49:40  24:18  04:52
11 04:36
12 04:45
13 04:50
14 04:51
15 04:55  1:13:39  23:59  04:48
16 04:50
17 04:57
18 04:56
19 05:11
20 04:50 1:38:25  24:46  04:57
21 05:06
22 05:10
23 05:17
24 05:21
25 05:24  2:04:46  26:21  05:16
26 05:49
27 05:20
28 05:42
29 05:29
30 05:39  2:32:47  28:01  05:36
31 05:27
32 05:18
33 05:22
34 05:21
35 05:17  2:59:34  26:47  05:21
36 05:27
37 05:27
38 05:29 計測ミス
39 05:29 計測ミス
40 05:21  3:26:48  27:14 05:27
41 05:21 計測ミス
42 05:21 計測ミス
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