勝田全国マラソン完走記(2008年)



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****** 大会データ ******

----- 大会寸評 -----

つくば、かすみがうらとともに茨城三大フルマラソンの一つ。
都内から遠いと敬遠されがちだが、上野から特急に乗れば70分強と意外にアクセスは良い。
小刻みな高低差のあるコース・土地柄か風が出やすい・4時間以降は歩道走で信号待ちがあるなどの難点はあるが、私設エイドの充実や沿道の声援、主催者やボランティアさん達の大会を盛り上げようとする姿勢など、非常に暖かい雰囲気は難点を上回る魅力がある。
2年前までは更衣室として体育館を解放していたので強風時の逃げ場があったが、昨年から着替えテントのみとなったのは残念。
私見だが、地元に根付いた大会で市民マラソンの理想の一つではないか。


----- 大会概要 -----

種目:フルマラソン、10km
最寄り駅:JR常磐線 勝田から無料シャトルバスまたは徒歩15分
スタート時刻:フルマラソンは11時
参加者数:エントリー数は全体で12105人
フルの部は、陸連男子648人、一般男子男子4661人、陸連女子115人、一般女子614人、計6038人。
昨年は全体で10945人、フルの部は5274人(内、当日参加した人は4713人)。
やはりマラソンバブルで参加者が増えていて、全体的に混んでいた。
制限時間:フルは6時間、ただし4時間以降は歩道走。
関門:なし。
参加資格:特になし
完走率など:不明

----- コースなど -----

ゼッケン枚数:前後
ゼッケン番号順:不明(申し込み順か?)。
コース:陸連公認コース。
勝田市内を一周するコースで、10m程度の高低差が8カ所程度あるコースだが、ややタフなコース。
スタートして700m程度で4車線(全て解放)の広い道に出ることもあり全体的に走りやすい。

コース上トイレ:仮設やガソリンスタンドなど計12カ所(プログラムに記載あり)
アップ場所:周辺道路など
キロ表示:5kmごと。
計測:RTタグ。今年からタグになった。
中間点もとネットタイム計測あり。いずれも完走証に記載。
GTMailsあり、中間点含め2回。
ペースセッター:なし
スタート順:陸連の部と、一般は自己申告タイム順。
ロスタイム:一般の部の先頭ブロック(2時間45分未満)で10秒程度。
給水:11km以降5kmごとに7カ所だが、私設エイドにも水はあり、数は十分。
公設エイドは水とスポーツドリンク。
スペシャル給水:なし
給食:公設か私設か不明だがバナナ、チョコ。
私設エイド:多し。レモン、うめぼし、チョコ、プチシュークリーム、お茶などなど
スポンジ:12.5km以降5kmごとに6カ所。
スタート前給水:たしか、なかった。ゴール後の給水コーナーでスタート前に飲ませてもらっている人はいたが、たぶん本当はダメなんだと思う。

----- 環境 -----

声援:多し。茨城の人は暖かい。
仮装:少数だがいる。
参加賞:即乾Tシャツ、サイズはS、M、L。昨年は長袖だったが今年は半袖に戻っちゃった。
素材はやや固めの即乾素材。
売店:飲食系(そば、うどん、豚汁、やきとりなど)、お土産(乾燥芋中心)、スポーツショップなど豊富。
飲食サービス:ゴール後、紙コップでスポーツドリンク飲み放題。
参加費:3500円。レイトエントリーは4500円。
当日エントリー:なし。
荷物:預かりあり(貴重品除く)。有料で100円。支給の黒ビニール袋に入れるが大きいのでたいがいの荷物は入る。
着替え場所:会場内にテントあり。
会場トイレ:仮設98基。そんなに混まない。
プログラム:選手名簿をかねた立派なもの。
記録証:当日のみ発行。中間点とネットタイムの記載あり。
写真屋:オールスポーツ。

----- 個人データ -----

直前の体重など:7日前が56.1kg/7.6%、2日前が57.9kg/7.4%、前日が58.8kg/8.4%。
ウエア:ロングタイツCW-X、アディダス黒色長袖、帽子を忘れて手ぬぐいをかぶった、アディダスグレー手袋。
天候:晴れ。6℃から8℃、西3m/s、風はさほど強くはなく助かった。
その他:シューズはゲルフェザーAS2、26.5cm。

ダメージ:右アキレス痛(長引いた)、左チョウケイ靱帯痛(後ろの方、数日でおさまる)、左足小指の皮がめくれた(その後、その下も剥けた)、新品の滑り止め付きアディダス5本指黒ソックスは左親指が穴があいた。
爪にはホワイトテープを三重に張ったが、靴下とシューズの摩擦で穴あき。
不経済だなぁ。
なにか対策を考えなきゃ…
<大会の位置付け>
私の聖地、勝田。
4年連続となる大会ですが、なぜかフルの記録はこの大会で更新するのが恒例になっていました。
風も出やすく高低差も多いコースで、決してスピードコースではないのですが、沿道の声援のおかげかもしれません。
毎年、1月中旬に谷川ハーフに出て月末は勝田という流れですが、直前のハーフがいい刺激になっているのかもしれません。

昨年秋の20kmの記録から見て、今年は92分台を狙った谷川ハーフでしたが96分と惨敗、練習でもキロ5分走が16kmしか走れないなどスピードが課題という状態でしたが、距離走は12月に42km走を5回するなどそこそこ充実していました。
直前になって右の奥歯茎が腫れたり腰痛が出たり足が痛んだり、やや体調は下降気味でした。
でも、かえってその程度の方がいい結果が出るのであまり気にしてはいませんでした。
体調と天気を考え、直前は5日も走らないという長い休暇にしました。

11月の大田原は、スタート直後から脇腹痛が30分続いて片手で腹を押さえながらリタイヤを真剣に考える展開で後半は冷たい強風という中、自己ベストを数分短縮して3時間31分台を叩き出しました。
今大会は、なにがなんでも3時間半を切るという覚悟で、翌日も休暇を取るなど万全の体制で望みました(毎年恒例)。

大田原から目線を下げて重心を前に持っていくフォームに変えたのですが、今回は肩甲骨で走る(体幹を使った走り)を直前になって取り入れました。
これは谷川ハーフで肩がこりそうだったので昔のように胸の前での腕振りにしたことの反省からなのですが(前から腕振りは懸案事項だった)、いかんせん練習不足は否めません。
でも、結果的には肩もこらなかったし、いい方向性を見つけられたと思います。
<当日の様子、スタートまで>
電車に乗れば意外と近い勝田ですが、さすがに近くはないです。
電車の本数も限られるので寝坊は出来ません。
4時36分に目が覚めましたが、歯ぐきの腫れはまだ痛みが少しあるものの腰は気になりません。
軽く食事をして6時に家を出ましたが、用意していた家の鍵が見つからずバタバタ。
結局予備の鍵を持って出かけました。
外はまだ暗く空気は冷たく、風は弱かった。
6時27分に新宿着、上野に6時52分に着きトイレと弁当を買って7時4分には一段落、車中には7時19分に入りました。
電車は7時30分発のフレッシュひたち5号、行きのみ指定席で計7530円。
帰りは自由席で十分です。
弁当は深川弁当、ちょっと足りない気がしたのでバームクーヘンも買いました。
早起きのせいか車中では眠かったですが、なるべく寝ないようにしました。
8時54分に勝田駅着、改札はけっこう混んでいました。
今年は混雑が目立ちましたが、マラソンバブルの影響で参加者が増えているせいだと思います。
会場までは歩いてもたいした距離ではないけど、無料シャトルバスに乗りました(結構行列していた)。
9時9分にバスに乗り、会場に17分に着いたら入り口でなにやら行列ができています。
ドールというバナナ会社がバナナを配っているようで、私も頂きましたがなんと一房(5本)!。
しかもピーラー(野菜などの皮をむくヤツ)のおまけ付きでした。
受付を済ませて陣取ったら9時29分になっていました。
陣地はフィニッシュそばの入り口横にしたのですが、送迎バス発着所のあたりのほうがスタートにもトイレにも近いからいいかもしれません。
汚い話ですが、いつもトイレ(大)は家で済ませてきますが、今回はなんだか出し足りなくて会場入りしてすぐに個室に入りました。
すっきりしてから着替えですが、今回はなんだかミスが多かった。
ゼッケンを付けるときに安全ピンを裏側の布まで通してしまい(それも二カ所も)、しかも愛用の帽子を忘れる始末。
温度調整には絶対に必要なんですけどね>帽子。
結局、手ぬぐいを頭に巻いて走りました。
10時6分に荷物を預け、アップに向かいました。
アップは軽め、スタート30分前にもう一度トイレを済ませてスタートラインに向かいました。
<レースの様子>
商店街からスタートするというのも、この大会らしいです。
陸連の部は最前列からスタートできるのですが、なんだか気後れして一般の2時間45分未満(一般の最前列)からにしました。
(私は遅くても陸連ランナーなので本当は先頭の集団から出られるので、こんな場所からでもルール違反ではない)

やることはやった。
あとは結果を出すだけ。
なにがなんでも3時間半は絶対に切る。
むしろ、どのぐらい切るかが焦点、そんな勢いでした。

さすがにこれだけ前だとスターターも見えます。
号砲が鳴り、商店街のスピーカーから大会賛歌の「君よ勝田の風になれ」が響き沿道の小旗が振られる中、いよいよ私の勝負大会が始まりました。

前から出たので序盤の混雑もさほどではないし、1km弱で4車線の広い道路に出るので走りやすいコースです(高低差はあるけど)。
心配していた風は弱かったけど気温は低いので、4車線の広い道路なのにみんな左側の日光が当たっている場所を走っているのが可笑しかった。
キロ表示は5kmごとなのですが、今年もまた5km表示を見落としました。
通り過ぎて気づいたのですが、ラップは24分15秒ぐらい、目標の3時間半はキロ5分ですから5kmを25分切っていかねばなりません。
スタートのロスタイムを考えるとちょっと飛ばし過ぎか。
いや、3時間半を切るだけではなく、どのぐらい切るかが勝負だ。
ペースを緩める気にはなりません。


10kmが48分26秒、いいペースです。悪くはない。
今回もゼリー、水、小銭を持っての走りです。
序盤に腹がすこし疼いたので腰の水は早めに飲む作戦(荷物の軽量化)にしたので給水は15kmまで取りませんでした。
後半はスポーツドリンクを取るのですが、今年は品切れが多かったような気がします。
気のせいかな。水は豊富でしたが。
冷えるせいか、なんとなくまたトイレに行きたい気分。
トイレ休憩なしで走れれば1分ぐらいは速くなるのですが、無理してペースダウンしてはそれどころではないし、難しいです。

15km地点のラップが24分40秒、かなりギリギリです。
後半の坂やバテを考えると余裕が無い数字です。
いつトイレに行こうか悩みながらの走りでした。
道路に帽子が落ちているのが見えました。
帽子を忘れて走っていたので、正直拾ってかぶりたかった。

今年はなんだか気持ちに余裕がなく、沿道の声援に手を振る気分になれません。
ひたすら走る。それだけです。


結局、毎年入っている20kmすぎの仮設トイレに入ることにしました。
ガソリンスタンドのトイレも考えたのですが、スタンドに入ってみたら行列してた、となるとロスが大きいので仮設なら状況も把握しやすいという判断です。
20kmのラップは24分54秒、もう余裕がありません。
3時間半にイエローシグナルです。
トイレに行って仕切り直しと思ったのですが、なんと4人も待っていたのであきらめました。
それからトイレを探しながら走ったのですが…
ごめんなさい。手頃な林があったので立ちションしちゃいました。
みっともない話です。二度とやらないと封印してたのになぁ。


中間点は1時間43分台、3時間半を大幅に切るのはもう無理です。
でも、なにがなんでも3時間半だけは切らねば。

25kmのラップは26分03秒、まあトイレ休憩を考えれば仕方が無い数字です。
25kmになったらゼリーを補給しようと思いながら走っていましたので、迷わずゼリータイム。
疲れた体に甘いバナナ味がしみ込みます。
以前は無給食で水だけでの完走を目指していたのですが、最近はあきらめてスポーツドリンクも給食も取るようにしています。
久しぶりに私設エイドでプチシュークリームを頂きました(場所が前とはかわったような気が。毎年ありがとうございます。)
バナナも2回いただきました。
もう、なりふりかまわずの走りです。
暑くなってきたので長袖をめくりましたが、右手はリストバンド、左手は時計で袖を固定して手袋との隙間に冷気が入らないようしていたので走りながら時計を外す作業が大変でした。
なにか工夫しないとなぁ。

30kmが25分39秒、やばい。
前半のわずかな貯金も底を尽きているんじゃないか。
あと12km、頑張るしかない。
泣いても笑ってもあと12km。
寒くなってきたので袖を戻して走り続けました。
4回も出ているとこのあたりで音楽を鳴らしながら私設エイドしてくれてるとか、けっこう覚えているもんですよね。
ありがたいことです。

35km、ラップは25分53秒、うわー。
頑張っているけど、徐々にペースが落ちているようです。
後半に坂が多いコースなので、よけいなんでしょうね。
気持ちは切らさないよう、とにかく最後まで頑張るのがマラソンです。
時計をチラっと見たら2時間55分、あと7km強をキロ5分で走れば3時間半に間に合います。
潰れてもいい覚悟で必至のスパートを開始しました。
右足のアキレス付近がヤバそうだけど、痛めてもいい。
アップダウンは続くだろうが、沿道の声援をもらえばギリギリで駆け込めるはず。

絶対に3時間半だけは切るんだ。

あと2kmの表示がありましたが、時計は見ませんでした。
最後の長い直線道路で呼吸が乱れちょっとヤバかったけどなんとかしのぎ、とにかく私の総決算大会の総仕上げです。
懸命に必死に走りました。

ようやくゴールが見えてきました。
ゴール直前まで時計は見ずに懸命に走り、ゴール。
時計は3時間32分、え、こんなに遅いの?!。
ギリギリで30分を切れないかも、とは思っていましたが32分とは……。

惨敗、の二文字が脳裏をよぎりました。
32分…。


紙コップでスポーツドリンクを何杯も飲んでようやく落ち着いてきました。
タイムはともかく、力は出し切りました。
限界まで出せたと思います。

完走証をいただき荷物を引き取り、カップのヨーグルト(メグミルク)をいただきました。
完走証発行所のそばでは、まだバナナを配っていました。
(朝、一房もらってたのでさすがにもらわなかった)
まずは着替えはあとにして、荷物を抱えたまま手袋しながらカレー蕎麦を食べました(400円)。
(風はなかったけど気温が低くて手袋を外すと寒い)
カレー蕎麦は美味しかったけど妙に油が浮いていて、汁は残しちゃいました。
来年はけんちん蕎麦にするかなぁ。
食べているときにちょっと体が揺れているような気がしました。
めまいかな。
靴下は左足親指が穴が空いていました。
爪には三重にホワイトテープを張ったのに、シューズとの摩擦ですり切れたようです。
対策はないのかしら。


今年は完全な単独行動ですから、終わって着替えたらもう帰るだけです。
カメラを持ってだれかのフィニッシュを待つのも楽しいけど、一人で好きにできるのも気楽でいいです。
紫峰という醤油が美味しいので買いたかったのですが、残念ながら見つかりませんでした。
かすみがうら(土浦)だと売っているんだけど。
16時20分のスーパーひたちで帰京、17時38分に上野に着きました。



数字的には11月の大田原とほぼ同レベル、大田原はトイレ休憩がなかったので単純な比較は出来ませんが、まあこの辺りの数字(3時間32分)が私の今の限界なんでしょう。
9月の北海道では同じようなペースで20km手前で膝が壊れていますから、この半年ほどで一応成長というか進化はしていることになります。
レース前の意気込みからすると惨敗ですし、正直35km過ぎからのスパートで悪くとも30分台でまとめられたと思っていたので、ゴールしてから32分と知ったときは呆然としました。
体調もそこそこ、気温は絶好のマラソン日和、相性のいい大会、これだけ好条件がそろうのはめったにありません。
しかし、これが現実、これが実力なんですね。
むしろ、32分が続けて出せるようになった自分をほめるべきかもしれません。

私にとって大きな大会が終わりました。
残念な気持ちも少々、でも全力を出し尽くしたある種さわやかな気分です。
しかし3時間半となるとあの高低差はキツいなぁ。

今回の結果を受けて、次の東京マラソンの走り方が決まりました。
仮装しようかとも思ったのですが、本気で記録を狙いにいきます。
テストというか、目先を変えて、序盤は押さえて走る、シューズはGT2130にする、厚着で保温する、この三点を試してみようと思います。

参加者が増えたせいか運が悪かったのか、コース上の仮設トイレが混んでいたので禁じていた立ちションをしちゃったのは反省というか後悔しています。
ごめんなさい。

もう少し速くなって、また来年勝田に戻ってきます。
ここ数年、一年で4分短縮するのが限界になっちゃってます。

<写真とデータ>

(すべてグロスタイム)
5km 0:22:45(24分15秒、キロ4:51)スタートロス含む
10km 0:48:26 (24分11秒、キロ4:50)
15km 1:13:07(24分41秒、キロ4:56)
20km 1:38:01(24分54秒、キロ4:59)
(中間点:1:43:31)
25km 2:04:05(26分04秒、キロ5:13)トイレ休憩
30km 2:29:44(25分39秒、キロ5:08)
35km 2:55:38(25分54秒、キロ5:11)
40.195km 3:22:13(5km補正値で25分35秒、キロ5:07)
ラスト2km (10分03秒、キロ5:02)

ゴール:3:32:18
前半:1:43:31(キロ4:54)
後半:1:48:47(キロ5:09)




フレッシュひたち。
黄色っぽい色は初めて見ました。



会場に向かう無料シャトルバス。
行列してますが、すぐ乗れました。



街をあげての歓迎



会場にて。自衛隊が演奏するなどの協力をしてくれてます。



開会式で、大会賛歌「君よ勝田の風になれ」を合唱中のコーラス隊のみなさん。



陣地よりフィニッシュラインを撮影。
まだスタート前ですのでまったりとしたフィニッシュラインです。



走り終わってから同じ場所を撮影。
制限時間は6時間ですので、まだまだランナーが駆け込んできます。



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