東京シティロードレース完走記





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東京シティロードレース完走記

10kmという距離は、俺にとっては日々、趣味で走る程度の距離。
10kmの大会は1年ぶり(4回目)だが、当然目標は完走などではなく、自己ベスト更新。
それも、ただの更新ではなく、大幅な更新。

しかし、現実は厳しかった。
54分6秒。
最悪。

昨年のこの大会は動画カメラで撮影しながら楽しんで走って、しかも信号待ちのロスタイムがあっても、53分48秒だった。
(途中から本気モードになったけど)
動画で信号待ちの時の映像(まなぶさんとたかさんが写っている)からロスタイムをカウントしてみたら、だいたい35秒から40秒ほどのロス。
つまり、実質的には53分前半だった。

カメラ片手に楽しんで走っていた昨年よりも遅い。
この1年間、頑張ってきたのに。
気力、体調ともに充実していたし、天候は雨だったけど、気にならなかった。
スタート前にはほとんどやんでいたし、仮に土砂降りになっても消えない(いや、むしろ燃え上がる)ほどのファイトがあった。
4km地点までは混み合っていたけど、自分のペースで走れた。
四ッ谷の坂も周囲のランナーをごぼう抜きしたし、競技場に入ってからのスパートも力強く走れたし、それぞれの場面では悪くはなかった。
それなのに、こんな数字かよ。

昨年12月から今年2月までに3回のハーフに出たけど、今回のタイムはそれらよりも遅いペースだった。
寒くて強風でコース上が混雑していて最悪の条件だった谷川真理ハーフよりも遅いペースだった。

誰か、10kmの走り方を教えて。

いまだに、現実を受け入れられない。
なんだよ、このタイムは。
昨年のこの大会の印象はイマイチ、だった。
昨年は江戸開府400年ということもあってか、ゲストランナーが高橋尚子と谷川真理とゴージャスだったのはいいけど、ゴール後のTシャツを渡す場所が大混乱で主催者のしきりの悪さと参加者のマナーの悪さにうんざりした。

それと、この大会は障害者の参加も多いのが特徴だけど、昨年はブラインドランナーと伴走の人の横を無理矢理すりぬけて前に出るような非常識なランナーもいて、あぶない。って言うか、腹立たしい。

全体的にマナーの悪いランナーが目立って、人気がある大会だけど俺は魅力を感じなかった。
参加費も高いし、その割にTシャツは安物だし、今年もエントリーはしたものの積極的に出るつもりはなかった。
しかも、いつまでたってもゼッケン引換証が届かなくて、気がついたら大会数日前になっていた。
事務局に電話したら、4月中旬には発送したとのこと。
ごめんなさい、の一言もなかった。
再発送するとのことで、到着を待っていたら2日後に届いた。
でも、他人の引き換え券が入っていた・・・。
もう、カンベンしてくれよ。

走る前から、げっそり、という感じだった。
当日は雨でしたが、さして気にならなかった。
絶対に土砂降りにはならない、という自信があったから。

ビニール袋で作った簡易雨ガッパをかぶっているランナーもいたけど、5月で寒くはないし、たった10kmだし、ゴールは国立競技場だから雨をしのぐスペースは沢山あるし、なんでそんなに雨に怯えるのか不思議だった。
雨で体が溶けるわけじゃあるまいし、なぜそんなに怯えるのか。


今回失敗だったのが、待ち合わせ場所を昨年と同じ場所にしたこと。
分かりやすい場所だったけど、ほとんど雨をしのげない場所だったから、地下鉄の通路あたりにすればよかった。

会場入りしてから、俺は受付横のインフォメーションコーナーで自分の引き換え券を受け取った。
引き換え券に署名捺印しないといけないのは知っていたけど、とりあえず、そのまま受付に提出した。
なにか文句を言われたら言い返そう(だいたい、そっちのミスだろ)と黒い心で受付したら、「あ、名前書いて下さい。2ケ所ね。あと、拇印も。朱肉そこにありますから。」と、普通に受付されて、ちょっと肩透かし。
いや、別に喧嘩をしにきた訳じゃないし、ミスした人間と現場のボランティアさんとは全く違う立場だし、そんなことは分かっているんだけど。
小雨が降り続く中、はじマラメンバーが続々集合。
遅れてきた人は受付が混雑していて大変だったみたい。
どこでもそうだけど、やはり出遅れは焦りのもとになる。

スタート地点に移動したら、昨年同様、靴のヒモは大丈夫か、ゼッケンは前後付けているか、チップは付けているか、スタートしても前の人を絶対押さないように、というアナウンスがあったけど、昨年よりは押し付けがましくなかった。
(昨年のスタート前が動画で残っているので見てみたけど、昨年はもっとしつこかった)
今年は雨で棄権した人が多いからなのか、それともゲストランナーがいないので今年のランナーは走り慣れている人が多いと読んだのか、理由は分らないけど、今年は押し付けがましくなくてよかった。
(アナウンスは昨年と同じ人だった)

千代田区長の開会宣言と同時に、一斉に大拍手。
車椅子のスタートの号砲と同時に、また拍手。
我々の号砲の直後にも拍手。

昨年はもっと後ろからのスタートだったせいか、周囲が拍手しているから、まあ付き合いで拍手するかな、という雰囲気だったけど、今年は(少なくとも俺の周囲では)一斉に大拍手で、これは嬉しかった。
この拍手は大会関係者に送る拍手でもあり、自分を含めたランナーに対する拍手でもある。
大会に「出る」のではなく「参加する」という意識が感じられて、たかが拍手だけど凄く嬉しかった。

アナウンスで笑ったのが、スタート前には
「関門が2ケ所ありますので、それも気にとめながら走って下さい」
と言っていたのに、号砲が鳴った後のアナウンスでは
「関門もありますが、あまり気にしなくて良いと思います」
に変わっていて、おもわず笑っちゃった。

神田明神の太鼓に送られてスタートラインを通過した。
走り出してまもなく、妙な不安感を感じた。
・・・10kmって、どうやって走るんだっけ。
力の入れ方が分らない。
距離表示が何キロごとなのかも分らないし、とにかくハーフよりもハードに走るしかない。
やがて4kmの表示が見えた。
23分21秒。え、キロ6分近いペースなの?
このあたりまでは混雑してはいたけど広い車道だから追い抜くことはできた。
谷川ハーフの時みたいに、前に出たくても出られない状況じゃなかった。
自分なりに早いペースで走っていたはずなのに・・・。

ここから先は、とにかく頑張るしかない。
時計は見ずに、走るだけ。
(といっても、5分20秒で走るのが精一杯だった。)

昨年、信号待ちで止められた場所はクリアできたが、別の場所で歩行者のためにストップすることになって、20秒から30秒ロスした。

昨年同様、コース上でゆっくり走る白バイを発見した。
バテてヘロヘロになっている車椅子ランナーのガードだ。
今年のランナーは、こういった車椅子ランナーに声援を送ったり、ブラインドランナーの周囲は意識的に空間を空けていたり、マナーがよかった。
伴走の人がブラインドさんに「みんながよけて走ってくれるから、走りやすい」と話していた。
昨年はゴール後にTシャツを渡す場所で大混乱だったけど、今年は受付時に渡す方式で混乱はなかったし、今年は良い印象の大会だった。

大会の印象は良いけど、肝心の走りがよくない。
昨年は気がつかないうちに走っていた上り坂をじっくり味わいながらランナーをごぼう抜きして、やがて見えてきた陸上競技場。
でも、ここからが結構長いので、最後まで気を抜かずに走り、競技場のトラックへ。
昨年同様、インコースは抜きにくいので、ランナーをかきわけながら大外にコース変更して、激走。
最後の2kmは、誰にも抜かれなかった。

しかし、現実は厳しかった。
54分6秒。

完全な失敗レースになっちまった。
ロスタイムを考えても、遅すぎる。

たかが10km、されど10km。
昨年9月から今年4月まで毎月大会に出たけど、ハーフ・フル・EKIDEN・ハーフ3回、フル2回と、10kmには縁がなかった。
大は小を兼ねる、じゃないけど、いつの間にか長い距離を走っていれば良いという価値観になっていたようだ。

反省。

デビューが2年前の東京10kだったし、10kmという距離は俺の原点。
初心に戻って、出直します。


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