2004東京10k夏 完走記




会場風景の、国営・昭和記念公園です。




はじマラ立川出張所。




ランナーズがテスト運用中の発振器。
胸ゼッケンの裏、赤いものが、それです。





東京10k・夏大会完走記

ランナーズ主催で、春夏秋と年に3回開催されている大会ですが、私は一昨年の春大会に参加したのが「はじめてのマラソン大会」だったこともあって、思い入れのある大会です。
会場の昭和記念公園は有料の公園だけあって管理は行き届いていて季節の草花が綺麗ですし、バーベキュー設備もあります。
大会自体も、主催者がいろいろと工夫しているのが分かります。
一昨年の春大会でも参加賞はTシャツ・ペットボトルホルダーなどから選べるなど、他の大会との差別化を意識して工夫しているのがわかります。
今回の参加賞はTシャツがなくなりタオルに代わっていました(従来の綿100%のシャツは不評だったらしい)。
また、ブレックファストセットなるベーグルやジュースの詰め合わせも選ぶことができて、もうシャツとかタオルとかはいらない、という人にとっては有難いサービスです。(当日エントリーはタオルのみです)
そういえば、土曜日開催というのも珍しいですが、これも差別化の一環かな。
メインレースは10kmなのですが制限時間は120分と長く、初心者でも安心です。
ちびっこランや5kmなどの種目もあるので家族揃って運動会気分で楽しめる大会です。
ただ、公園内での大会のせいか、それとも東京という都市の特性なのか、人工的な感じは否定出来ません。
下手なたとえですが、他の大会と比較すると、長年の歴史がある下町の夏祭りと、歴史の浅い町会主催の新興住宅地の夏祭りのような違いがあります。

沿道の人たちと一緒に盛り上がるのが好きなランナーにとっては物足りない大会でしょうが、私は好きな大会です。
一人で参加してもそこそこ楽しめる雰囲気だし、主催者も手慣れて初心者でも安心だし、公園だから水場・トイレ・売店などの設備も整っているし、なによりも「大会のぬし」みたいな人間がいそうにない、というのが好き。
たぶん、歴史のある大会だと、大会を知りつくしたぬしのようなランナーがいるんだろうし、たぶんそういったランナーは大会と共に歩んできた誇りとかがあるんでしょう。
でも、正直いって、そういった人間を見たくない。
そういったウエットなものを感じたくないので、この大会のようにドライな大会は俺の肌にあう。
なにしろ、年3回開催している大会だから、ベテランでも新参者でも同じフィールドってのが、さっぱりしていて好きです。
本当は13時スタートの夢の島6時間リレーマラソンに出場する予定でした。
それにもかかわらず、無理を言って当日エントリーでこの大会に出た理由は、5月の東京シティロードレース(10km)での失敗が原因です。 東京シティは、1年ぶりの10kmだったこともあってペースがわからないうちに終わっていました。
私の10kmのベストは、昨年の東京シティの53分台です。
昨年の東京シティは前半をカメラ片手に楽しみながら走っていて53分台で、今年は最初から本気で走ったのに54分オーバー。
昨年最近のハーフのペースよりもはるかに遅いペースでしか走れなかった自分が許せなくて、急遽東京10k出場を決めました。

10kmの走り方を勉強しなおして近所の公園で10kmのタイムトライアルをしてみたところ、距離の正確さはさておいて、50分10秒というタイムが出ました。
まあ、これでもハーフのベストより遅いペースなのですが、練習でこれだけ頑張れたのは収穫でした。
この勢いで東京10kでは目標の50分切りを目指せるかも、と、意気込んでいたのですが、どうも天気予報によると気温が高そうです。
おまけに、体調も下降線をたどっていて、今一つ気持ちが乗りません。
今回は自己ベストを更新するために出る大会です。
この1年の走りを数字で残すために出場する大会だから、完走して「あー、気持ちよかった」では済まされない。大袈裟ですが、そんな気持ちで大会に挑みました。

なんだかんだと考えながら、大会当日になりました。
前日に事務局に聞いた所、私の種目(10km男子50歳代以下)は11時38分がスタートだそうです。
この大会はスタートが遅いのも特徴で、遠隔地からでも参加しやすくなっています。
しかし、38分という半端なスタートタイムって・・・。

当日エントリーの受付はスタート時刻の45分前までと聞いていたので、それに合わせて家を出るつもりだったのですが、なんとなく早めに家を出ましたが、すでにこの時点で暑かった。
私は暑さに弱いので、この暑さでは完走するので精一杯になるかも。
嫌な予感を感じながら会場に向かいました。

当日エントリーは参加費4000円の他に、公園入園料の400円がかかります。
当日エントリーで参加するのは初めての経験だったのですが、思ったよりも人が多くて当日エントリー専用の受付ではだいぶ待たされました。 待っている間も、ピーカンの太陽がじりじりと照りつけます。

会場のアナウンスがあるとはいえ、プログラムが無いのは不便です。
ネット上のパンフレットではスタート時間は11時40分としか書いていないし、種目というか年代別に細かくスタート時間を分けているのだから、プログラムは必須だと思うのですが。

受付を終えて、木陰で着替えた時に気が付いたのですが、ランナーズ得意のRCチップの他に、胸ゼッケンの裏に発信器(赤色)が付いていました。
まだ発信器はテスト運用中で計測はRCチップで行うそうですが、ランナーズ主催の大会も胸ゼッケン発信器に替わるのかな?。
でも、個人でRCチップを買っている人もいるから、両方併用(好みで選ぶ)になるのかもしれませんね。
いつも通りゼッケンは安全ピンで取り付けますが、今回はプラスチックのボタンを持参していきました。
安全ピンと違ってパチンとはめ込むだけで簡単、だと思っていたのですが、シャツの素材の厚さや堅さによっては、なかなかはまりません。
やっぱり安全ピンの方が良いみたいです。


11時の時点で、気温30度とのアナウンスがありました。
繰り返し、給水を充分取るようアナウンスされていました。
受付後とゴール後にペットボトルの水を1本ずつ貰えるし、その他にも会場内に給水所があるし、コース(1周5km)にも2カ所の給水所があるし、給水体制は万全です。

それにしても暑い。
昨年のタートルマラソン(9月)の34度まではいかないものの、完全に夏の陽気です。
暑さに弱いのに、30度なんて気温で走っていいのかしら。
タートルの時みたいに、無理に走って自己嫌悪にならなきゃいいけど。
弱気になりながらも、きちんとアップをしました。

・・・やっぱり6時間リレーに出てればよかったかなぁ。

私の10kmのワーストタイムは55分台ですが、ひょっとしてワースト大幅更新、1時間オーバーとかになったりして。
どんどん弱気になりながら、5kmのスタートなどを見送ります。

暑さ対策は、4月のかすみがうらと同じく帽子と秘密兵器のネッククーラーです。
水場でネッククーラーに水を含ませたりしているうちに、いつの間にかスタート時刻になっていました。
あわててスタート地点に向かい、なんとか1分前に最後尾付近にたどり着きました。
前回は、スターター(ランナーズ関係者)の紹介アナウンスがあって、それと同時にランナー全員が大拍手して盛り上がるという場面があって、実はこの瞬間だけが唯一の盛り上がりポイント(笑)なのですが、今回はスターター紹介がありませんでした。
盛り上がるポイントがなくて残念、と思っていたら、号砲と同時に一斉に拍手がわき起こって嬉しかった。
さすが人数の多い10km男子50歳以下、拍手で脳内麻薬が出ることを知っているランナーばかりです。
さあ、いよいよ戦闘開始。

正直言って、気温30度のアナウンスを聞いたとき、自己ベスト更新は諦めました。
今回は悪条件の中でどの程度のタイムが出せるかを実験するつもりで、でも10kmの走り方も忘れずに最後まで粘って走れば、きっと次につながるはず。

あきらめない、手を抜かない、必要以上の無理はしない。

取りあえず、スタートラインを越えたらぶっ飛ばして走るつもりだったのですが、参加者が多いのかスタート位置が後ろ過ぎたのか、混雑して前のランナーを抜けません。
最初の2kmはキロ5分半のペースでした。

1周5kmのコースを2周するのですが、コース上に2カ所給水所(水のみ)があります。最初の給水所を過ぎたあたりからランナーが多少はばらけてきて、そこそこのペースで走れました。
微妙な高低差やカーブなどがあって、走っていて楽しいコースです。
記録という点では平坦な河川敷コースの方が有利かもしれませんが、私のような遅足ランナーにとっては変化のあるコースの方が走りやすいです。

しかし、暑い。
日射しと地面からの照り返しのダブルパンチ。
時々ある、わずかな木陰が恋しい。
3km以降は、ほぼキロ5分のペースで走り切れました。
7kmは5分15秒、9kmは5分21秒とペースダウンしていますが、これは2周目の給水所でのタイムロスと後半のバテだと思います。

給水所ごとにネッククーラーに水を含ませて、首筋を冷やしながら走りました。
ネッククーラーがなければ、途中で歩いていたかもしれない。
効き目はバッチリですが、この気温では2km程度しか持ちません。
含ませた水の気化熱で冷やすものなので、水がなければ機能しません。

このコースを走るのは2年ぶり、2回目です。
2年前はもっと長く感じたのですが、今年はかなり短く感じました。
と言いながらも、この暑さです。やっぱり10kmは長いです。
1周目を終えた時点で26分1秒と予想以上の出来です。
後半のバテを考えても、52分台が狙えるペース。
この気温で53分を切れれば大成功だと思っていたので、気合いを入れ直して2周目に突入しました。
しかし、このあたりから暑さのダメージが効いてきました。

2周目に入ったとたん、道ばたで倒れているランナーがいました。
担架を積んだ救護車両(救急車ではなく公園の車のようです)に運ばれるところでした。
その後も倒れているランナーがあちこちにいて、合計6人が倒れていました。
5kmのコース上に6人。
私の前を走っていたランナーだけで6人ですから、全体ではもっと多くの人が倒れたと思います。
私が走り終わってからも、数回サイレンの音が聞こえました。

私も最後はへろへろでした。
最後の給水の付近では歩きたい気持ちで一杯でしたが、なんとかペースダウンしながらも走り続けました。
無理して倒れたらいけないし、焦っても速く走れる訳じゃないし、最後の数キロは時計を見ないで走りました。
やがて、2年前と同じゴールが見えてきました。
ラストスパートしてゴール。
自己計測ながら、51分41秒と自己ベスト更新です。
ハーフのベストよりも遅いペースですが、なにしろこの暑さです。
目標の10km50分切りの手応えもつかめたし、大満足です。

ゴールしてから恒例の完走バナナを頂き、最近始まったスイカのサービスもいただきました。
顔からはボタボタと玉の汗が落ち続けています。

荷物を受け取った後、会場から離れて水場の近くで頭から水をかぶりましたが、それでも汗が出る出る。
濡らした手ぬぐいで何度も汗をぬぐいながら、木陰で涼みました。
やっぱり、水場があると便利ですね。
さっぱりとして、木陰で涼んでいるうちに、そろそろ出発の時間になりました。
これから6時間リレマラの応援です。

バナナを食べたばかりでしたが、バーベキューをしている人たちの美味しそうな匂いにつられて、思わず売店でフランクフルトを買い食いしました。
走った後は肉に限りますねー。
うまかったなぁ。

新宿駅に戻り、コインロッカーに入れておいた荷物を取り出してアイスクリーム屋でアイスを買い込んで、夢の島6時間リレーマラソン会場に向かいました。
駅前のコンビニで冷たいお茶を買い込んで、背中に東京10kの荷物、右肩には仮装グッズと予備のシャツ類、左手にはアイスクリーム、右手にはペットボトルのお茶4リットルと、なんだか凄い格好で6時間はじマラチーム基地に向かいました。
せっかく持っていった仮装グッズですが、暑いし着替えるのが面倒だったので使いませんでした。

1日に2大会という、たぶん二度と出来ない体験ができて、疲れたけど楽しかった。
皆さん、いろいろとご迷惑おかけしました。
おかげさまで、梅雨入りの前に納得いく走りができました。
さあ、これから暑くなるからプール通いでもしますかね。
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