2004NAHAマラソン



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<12月4日 土曜日(大会前日)>
ついにだか、ようやくだか来た、出発の日。
いよいよ、人生はじめての飛行機。
もっと緊張するかと思ったけど、風邪とヘルペスを抱えながら台風に向かって移動するという、全く想像しなかった展開に、もう思考能力がマヒしている。
家から羽田空港に着くまでに雨でずぶぬれになると覚悟していたけど、さすが晴れ男(自分で言うな)、曇ってはいるものの雨は一滴も降らなかったし風もさして強くない。

この12月から羽田第ニターミナルが稼動開始したそうで、航空会社によって場所が違うので間違えると大きなタイムロスになる。
ツアー会社の案内にもきちんと書いてあったので私は迷わずたどり着けたけど、空港に着いてイスに座ってでボーッとしていたら、やっぱりいました、場所を間違えたヤツ。
若い女の子のグループで1人だけ来ていないらしくて、その1人とようやく繋がった携帯で
「今、空港のどこにいるの? ちょっとまわりを見て航空会社の名前を言ってみて。 え?! ANA?!! あんた、間違ってる! そこ第二ターミナルだよ! 第一に走れ!場所は誰かに聞いて走れ! もう時間ないよっ!
と、本気でドタバタしていて失礼ながらおかしかった。

早く着き過ぎたので時間まで飛行機が離着陸するのを見物して楽しもう(精神年令はお子さまレベルなので動く乗り物が大好きなの)と思っていたのに、滑走路が見えない。
上階に行けば見られそうだけど、荷物かかえてウロウロするのも面倒だし、一人でぼわーっとした時を過ごしました。動く飛行機は見られなかったけど、たまにはこんなぼわーとした時間を過ごすのも楽しい。
別に待ち合わせをした訳じゃないけど、同じツアーのまるこふさんとTokkiさんは、たぶん同じ飛行機だろうと思ってツアーの受付場所を見ていたら、いたいた。2人発見。
とりあえず2人に挨拶と思ったけど、まだ航空券も受取っていないので2人の後を追い掛けるように手続きをして、というか、なにしろ初めてなので人の真似をすりゃ間違いないだろうから猿真似をしたかっただけですけど、手続きをして2人に近付きました。
私のいでたちはダウンジャケットにジーンズ、防寒のニット帽とメガネ、防寒手袋にマスクという非常にアヤシイ格好(メガネは急速に視力が落ちたので慌ててかけた。普段はかけない)。
唯一顔で出ているのが目だけで、しかもメガネ越しなので当然のごとく2人は全く私に気が着かず、
「うわぁー、なんだかヘンな人が近付いてきたよ。しかも、思いッきりこっちを見つめてるし、真直ぐこっちに向かってきてるし、いやだなー。」といった表情で私をチラチラ見ていました(笑)。別に脅かすつもりはなかったのですが。
2人の目の前にまで近付いて手を振ったら、ようやく気が着いてくれました。

2人と合流してから、ちょっとお茶でもしたかったけど適当な場所がなくて、時間も中途半端になっていたので、しばらくベンチで話しているうちに時間になりました。
いよいよ、はじめての飛行機です。
飛行機に直接乗り込む通路(ボーディングブリッジというらしい)を歩いたら、足下がボヨボヨとするし揺れるし、頼り無い感触でした。
まあ、可動式の通路だから強度も弱いだろうし仕方ないのでしょうが、なんとなくこの時の足の感触で覚悟が決まった感じがしました。
初フライトの一番の恐さは、地に足が着かないこと(そりゃ空を飛ぶんだから、足は着かないわな)。
ブリッジの足下のたよりなさで、なんか気分が吹っ切れた気がしました。
ただ、2時間のフライト中に酔う心配はあるし、どれだけ揺れるかわからない(なにしろ台風が接近中)ので不安感はまだまだありますが。

座席に着いたら離陸する前に目の前の雑誌などに目を通しました(離陸してから活字を読むと、酔う危険があるから)が、どうやらこの飛行機はB777という機種のようです。
新しいようで綺麗で気持ちがいいし、なによりもスクリーンがあちこちに設置されていて外の風景を写してくれるのが嬉しい。
私の席は中央の列で窓から外が見えなかったので、スクリーンの映像がありがたかった。
やがてエンジン音が高まり、滑走路へ移動しはじめましたが、あんなに大きなタイヤなのに結構揺れて、空港って滑走路以外の場所は意外と凹凸があるみたいですね。
数機が離陸待ちしていて、この飛行機(JA1919便)は6番目というアナウンスがありました。
ようやく順番が来て、エンジン音の高まりとともに後ろから急に押されるような感じで滑走路を加速しはじめましたが、もっとじんわり加速するのかとおもったら、いきなりなんですね。
加速のG(水平の)は思った程ではなく、離陸の角度も予想していたよりゆるやかでしたが、あの上に浮かぶ感覚はなんともじわーっと手のひらに汗をかくかんじです。
けっこうエンジン音はうるさいし、風きり音もうるさい。
(後で気がついたのですが、離陸直後の風きり音は車輪(ギア)が風を切る音でした。着陸の時のギアダウンで急に風きり音がしだしたので、気づいた。怖がっていた割には冷静でしょ?)

ようやく空に浮かんだのですが、けっこう揺れ続けていました。
飛行機だと思うと恐いので、「これは新幹線だ、新幹線だ、新幹線だ、次は新大阪かな」と自分に言い聞かせていました(笑)が、時々上下にも揺れると、さすがに「新幹線は上下には揺れないよな」と自分を騙すのにも限界があります(汗)。
大きな揺れはなかったけど、小刻みな揺れはけっこう続いていました。
スクリーンから見える雲海は綺麗でしたが、綺麗な景色は本当にわずかで、あとはひたすら雲しか見えないとかだったので風景はイマイチでした。富士山も見えなかった。
することがないのと気を紛らわすために、ヘッドフォン(イヤフォン?)で落語を聞いていましたが、途中で機内のアナウンスが強制的に入るので集中できなかった。でも、沖縄に着くまでには3回近く同じテープがきけるので、多少聞き漏らしても問題はないのですが。
飛行機のヘッドフォンって音を電気で伝えるのではなく、空気管で伝える方式なんですね。
軽量化(配線も含むシステム全体の軽量化)のためか、それとも故障しづらい(空気管は接触不良や断線の心配がすくない)ためか知りませんが、とにかく見るもの全てが珍しい。

揺れる度にじわーっと手に汗をかきながら、ようやく沖縄に近付きました。
スクリーンには時々現在位置や高度・速度が表示されていましたが、10000mという高さはともかく、時速700kmという速度の速さにはちょっと驚きました。でも空を飛ぶんだからそのぐらいは当たり前かな。
やがて速度も高度も落ちてきて、いよいよ那覇空港が近いことが数字でも見て取れるようになってきました。
スクリーンには飛行機前方の景色が写っています。
アプローチは空港の滑走路目指しているというよりも、海面目指して降下中というように見えるので、ちょっとドキドキ。
ようやく滑走路がスクリーンでも確認できる大きさになってきたら、今度は滑走路に向かって微妙に姿勢を制御している様子がスクリーンから見えて、遠くの窓からはフラップ(主翼端についている浮力制御用の羽)が生き物のように動いていて、パイロットが機体を制御している 様子がイヤでも伝わってきます。
あたりまえだけど、パイロットが人間の手で滑走路に正対する姿勢に制御しながら降下するんだから、微調整なしで一発でピタッと決まる訳がない。
当然、微妙な調整をしながら空港に進入するんだけど、理屈ではわかるんだけど、なにしろ空を飛ぶ乗り物。
電車ならホームを通り過ぎてもバックして定位置に戻れるけど、飛行機は降下し過ぎたら墜落。
なんだか祈るような気持ちです。意地悪な風よ、今だけは吹かないでくれ。

着陸の時の揺れはたいしてなく、あっさりという感じで着地して減速しました。
接地してからかなりの勢いで減速しているだろうけど、全く気になりませんでした。

いよいよ、沖縄に到着しました。
我が人生で、もっとも遠くへ、そして一番南の場所にたどりつきました。

沖縄の空気は、もわーっとした暑さでした。いや、暑さというほど気温は高くはなかったけど、しつこいようだけど風邪とヘルペスを抱えた半病人なので、東京との気温差が気になります。
なんだか南国の空気に触れたことと、無事に初フライトが終わったことなんかが急に脳内を駆け巡って、心臓がバクバクしかけました。
とりあえずトイレに入って小用を足して手を洗ったら、落ち着きました。

先乗りしていたMIB2さんにまるこふさんが連絡したところ、先乗り組は会場にいるそうなので、まずはホテルではなく会場で受付をすることになりました(前日受付しかない大会です)。
会場まではゆいレールというモノレール(沖縄は電車がないのではじめての電車的な乗り物だそうです)に乗りましたが、キップ売り場が大行列でした。
(駅には日本最西端の駅と書かれていました)
しかも、2両編成のゆいレールはランナーで一杯。みんな大荷物なので混雑していました。
会場についたら、すっかり現地に溶け混んだ雰囲気のMIB2さんと出会って受付後にみんなが集まっている場所(喫煙所)に向かい、みなさんと合流しました。
なぜ喫煙所に陣取っていたかというと、ただ単にイスがあったからのようです。
天気は曇りときどき雨、風はやや強め。時々バラバラと雨が降り、嵐の予感がする天気でした。
私は、初日は受け付けを済ませたらホテルにチェックインしてお土産購入して晩飯、というスケジュールを予定していたのですが、なんか沖縄に着いたらどうでもよくなっちゃった。
これからどうするとか、そんなことはなーんにも考えず、ただぼーっとしていました。
でも、天気だけは気になる。明らかに低気圧接近中という風だし、明日はどうなるんだろう。
まあ台風は低気圧になっているだろうから大会中止はないだろうけど、天気が悪いと沿道の応援も減るだろうし。

そのうち、カルパッチョさんが到着して、別行動のいけきょうさん以外は全員集合。
とりあえず、はこさんはビデオ録画の手配、我々はホテルに向かいつつ、途中で食事を取りました。
木の上にあるアジア食堂はまだ開いていなくて、その下の店で軽く食事。
私は塩やきそばを食べましたが、麺はソーキソバのもののようで味はオイスターソース?らしき味で、好きな味でしたが塩味ききすぎでした。
値段は憶えていないけど安かった。沖縄は物価が安いですね。(空港以外は)

アジア食堂(木の上)

その後、ホテル(東横イン)にチェックイン。なんと私はまるこふさんのお隣の部屋でした。
ビジネスホテルのシングルだから狭いけど、築年数は新しいらしく綺麗で、設備も必要にして十分です。
ロビーでみんなと合流して、雨の中、晩飯の店を探しに出ました。
風は強く、折り畳み傘は骨が折れそうになり、雨もバラバラと降っていました。
低気圧接近中という空気の中、よさそうな店を見つけたのですが満員。
でも、さすがに8人もいると機転がきく人がいて、明日もみんなで飲むんだから明日の予約をしようということになって、予約して店を後にしました。
雨も降っているし近い所にしようということで、あまり遠出はせずに、その近くの居酒屋にしました。
ヤギの刺身やパイナップルの炒めもの、奇妙な名前の魚の天ぷら、沖縄といえば豚肉料理、それからソーキソバなどなど、たらふく飲み食いして楽しくおしゃべりしました。

店を出たら、風は穏やかで雨は上がり、すごく爽やかな風が吹いていました。
明日の大会が楽しみな天気です。
当日朝に天候不良で中止という可能性は、もうないでしょう。
そう確信できる天気になっていました。
いつのまにか、頭の中から風邪もヘルペスも消えていました。
沖縄の空気が癒してくれたようです。

ホテルに戻る途中でコンビニに寄ってコーヒーとか菓子パンを買い込みました。
ランナー達が買い占めたのか、ごはん類はほとんど品切れになっていました。
モーニングコールをセットして、ベッドにもぐり込みました。

(まだ続く)
   はじマラBBS



かめ
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